志村けんが星に帰った
ひょうきん族を見たい兄と、8時だよ全員集合を見たい僕とで小学校の低学年ながら揉めた記憶が。父親が家にいる時はプロ野球一択でした。そんな家庭も多かったんじゃないでしょうか。
加トちゃんケンちゃんごきげんテレビがスタートすれば、僕はもちろんそっちが見たかった。全員集合はひょうきん族にやられたけど、ひょうきん族は加トちゃんケンちゃんごきげんテレビにやられた。これが志村けんの底力。加トちゃんもね。
1996年に死亡説が流れた時は、先輩の家に「志村けん死亡」と書かれた新聞記事の切り抜きが壁に貼られており、ある意味笑わしてもらった。そしてそのことをいまだに覚えている。
志村けんはどこかで死なないと思ってました。でも、志村けんがもっとおじいちゃんになってテレビに出続けるイメージもわかない。志村けんが志村けんであるうちに急に僕の目の前からいなくなるもんだと思ってた。それは“死”ではなく。
そうだ、志村けんは日本人を十分笑わせたから星に帰ったってことにしよう。それがいい。