かめchログ

僕が思ったありのままをただ書き殴るだけのブログ

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優秀だった同僚はプロブロガーになった

僕の同期にとっても優秀な奴がいた。ブラインドタッチのスピード、迷惑電話の応対、どれをとっても同僚の中では群を抜いていた。

彼はいつも僕達のことをこう思っていた。お前らのような「歯車」として生きていくだけの人生はいやだ。だから、俺は会社の飲み会には参加しない。

そう、彼は優秀ではあったが、コミュニケーションに関しては難のある人間だった。そんなコミュニケーションに難のある彼も、趣味で続けていたブログ上では人気を博し、我々が普段接する彼とは思えないほど気さくで気持ちのいい男を演じることができていた。そう、彼は誰かに使われることを異常なまでに嫌うだけの男だった。

彼は退職願を提出する。彼は平凡なサラリーマンが使う「一身上の都合により」とは書かず「プロブロガーになるために」と書いていた。凄まじい信念だ。恐れいった。

そして、彼はプロブロガーになった。華奢な体からは想像もつかないくらいの行動力でブラインドサッカーを楽しんでいた。東京を満喫していた。

と思ったら、急に手のひらを返すかのように富士山の麓へ移住した。日本人なら富士山だろう?よくわからない。よくわからないが、富士山山麓にアジトを置く謎の秘密結社により、右腕と左脚は機械の体にされていた。その機械の右腕からは東京のサラリーマンをディスる言葉が延々と垂れ流され、その左脚からは、無回転シュートを完璧に決められる、そう、まるでミラン本田の魂が乗り移ったかのようなスーパーレフティーになっていた。右腕だけでタイピングしながら、左脚でボールを蹴り続ける。鬼気迫るその姿に、世間のその他ブロガーは自我を保つため、彼を攻撃し続けた。

勝てるわけのない戦いに足を踏み入れるちっぽけなその他ブロガー達。いや、少なからず彼の生き様に尊崇の念を抱いているに違いない。もし生まれ変われるなら彼のようになりたい、そんな心の声が僕には聞こえるような気がした。

人は悪をつくり上げることで、自分は正義でいるんだと錯覚するのかもしれない。だが、悪は悪なんかではなく、正義が作り上げた妄想でしかなかった。正義の中に悪がいただけなんだ。

一度心と会話してみよう。お前の人生にあの悪はなくてはならないものなのか?

僕はそんな妄想をしながら、ねぎたま牛丼を3分で食い終えた。そして、目の大きなかわいい女の子を心の中で僕の彼女に仕立てあげ、えげつない妄想ネタの1つとしてストックするのだった。